高知県・四万十町の中山間地で、無農薬で栗の収穫量を増やしていく挑戦が始まっています。

カリスマ栗剪定士の伊藤さんにたくさんお話を伺うことができました。

 

伊藤さんはもともと岐阜・恵那にて、何年もかけて独学でさまざまな剪定の実験をされてきました。

そして最強の剪定技術を習得し四万十に移住。昨年から栗プロジェクトをスタート。

 

穏やかな口調だけれど語り始めると止まらない強い信念。無農薬へのこだわり、栗への想い、日本の一次産業に対する考え。

理路整然と整理されたその考えに、偉そうな言い方だけど、とても頭のいい方だな、と感じました。

 

もともと四万十は栗の産地ではありましたが、確立されたノウハウはなく、安定的に収穫量を保つことはできず、品質も一定ではなく、もちろん無農薬でもなく。

 

そこで、荒れた畑を再生させるために農薬をやめ、剪定技術により収穫量を安定的に増やし、質のいい栗を育てることをミッションとして、四万十の栗プロジェクトが始まったのです。

 

1年経った今、荒れていた畑は再生し、栗を育てるために必要な栄養が戻った土になりました。

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なんと、通常2Lサイズ約25gの栗と比べるとはるかに大きい35~40g超の栗がごろごろ採れ始めました。

たったの1年で。

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たったの1年で再生する、自然のそのパワーには本当に驚かされるし、その技術をもって、昨年と全然違う畑の姿と栗の成果を見たときに、「大袈裟だけど泣きそうになった」という地元の栗農家さんのうるんだ瞳に、少しもらい泣きしそうになりました。

 

勘違いしがちなのが、栗の美味しさは、粒の大小では決まらないということ。

おいしい栗は、大きさにかかわらず、皮のなかに濃密に中身がつまっている。

伊藤さんの剪定技術で、市場に出せない質の悪い栗の量もびっくりするほど減ったそうです。

ではなぜ大きい粒が摂れるのがいいのか。

それは、

まずは高齢化している農家さんでも拾いやすいこと。

そして収量が増えること。

最後に私が一番感動した理由。それは、収穫の労力が楽しみに変わること。

「一粒20円の小さな栗を拾うより、50円になる大きな粒を拾う方が楽しいに決まっているし。それに大きくてきれいな栗を拾うことが農作業の成果としてのワクワクにつながる。」

そう話してくれる伊藤さんの思考に、何度も頷きました。

 

無農薬に関しても同じ。

草狩りは農業のなかでも面倒な作業の代表。だけど農薬をまかないで自然の形のままの生態系を保てれば、必要な草しか生えてこない。

 

いかに楽しみを増やし、いかに安定した収量を保つか。それが一次産業の活性化につながるんだな、と本当に勉強になりました。

 

「栗だけで食べてくなんて無理だ」という固定概念がずっと昔からある。

だけど、技術さえあればそれは不可能じゃない。

 

伊藤さんのそのメッセーが、本当に本当にたくさんの農家さんに届くといいな。

 

四万十の自然が作り出す寒暖の差と、日照量と降水量のいいバランスも質のいい栗の大きな味方。

美しい四万十川に負担をかけない生活を掲げる、「四万十ドラマ」さんでいろいろ学ばせていただいたシルバーウィークでした。

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